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ゲーム、電子書籍、SNS、株価のチェックに英会話学習など。
連絡ツールとして発達した携帯電話は、スマホの登場によりエンタメデバイスへと変化してきました。
さらに、キャッシュレスアプリの普及により、いまやスマホ一台あれば、何でも行えるようになりました。

とても便利で、生活に欠かせない役割を果たす一方、私たちの体は、長時間の「前傾姿勢」を強いられています。
この記事ではスマホによって引き起こされる体への弊害や、姿勢を正す便利なグッズを紹介します。

悪姿勢が腰痛の元凶

あなたはスマホを見ている自分の姿を鏡で見たことがありますか?
画面を覗き込むように下を向き、背中が丸まり、肩が内側にぐっと入り込んだ姿勢をしているはず。
スマホを見るために下を向くと、重たい頭を支えようと背中が丸くなり、猫背になります。
結果、腰周りの筋肉が硬くなり、腰痛の原因になるのです。

人の頭の重さは体重の約10%。

普通にしていても重たいのですが、ニュートラルのポジションから角度がつくことによって、首への負荷が増加します。

スマホを覗き込むときの45度から60度の角度は、約22キロから27キロの重さを首が支えていることになるのです。
30キロ近い重さを首からぶら下げ、15分以上じっとしているなんて、普通だったら耐えられませんよね。
悪い姿勢でスマホを見ることは、これくらい体に負荷をかけていると同じ行為だったのです。

ストレートネック

「頚椎」と呼ばれる首の骨は、重い頭を支えるために、S字に湾曲しています。
しかし、先ほど説明したように、首への負荷が強い姿勢を続けることで、頚椎が真っ直ぐの「ストレートネック」になってしまいます。

「スマホ首」もこのストレートネックのことを指します。
頚椎から尾骨まで、骨は全部繋がっています。

頚椎が真っ直ぐになってしまうことで、背骨の湾曲バランスも崩れてしまいます。
その結果、腰椎は「常に前かがみ状態」と同じ負荷がかかり続けてしまいます。
骨と骨の間にはクッションの役割を果たす「椎間板」が存在します。
腰椎に常に負荷がかかることで、椎間板が劣化。
ヘルニアを引き起こす原因にもなります。

ベッドの上でごろごろスマホも腰にはNG

眠る前にベッドでスマホをいじりながら、そのまま寝落ち・・・。
「だらけるって最高!」と思っているかもしれませんが、体と心はちっとも休まっていないことをご存じでしたか?

仰向け、うつぶせ、横向き、どんな姿勢で寝転んでも腰には負荷がかかります。
この状態でスマホを持つことにより、腕。首。肩、背中に不自然な力が加わり、極度の緊張状態になります。
結果、全身の血流やリンパの流れが悪くなり、腰だけでなく、全身が痛くなる可能性も。

さらには眠る直前までスマホを見る行為は、休もうと思っている体に無理やり情報を詰め込んでいるのと同じこと。
自律神経が乱れ、脳を疲労させます。これらは熟睡を妨げる原因になります。
最新の研究では、睡眠の質が下がること、腰痛を引き起こすことが分かっています。
寝転がりながらのスマホいじりは「百害あって一利なし」ですよ。

正しい姿勢を知ろう

スマホの見過ぎが体に悪影響だと分かっていても、やめられないのが人間ですよね。
大丈夫です。きちんと正しい姿勢で使えるようになれば、肩こり腰痛を防ぐことが出来ます。

やわらかすぎない場所に座ろう

ふわふわなソファや、ビーズクッションのようなものに座ると、お尻が沈んでしまい、正しい姿勢が作れません。
しっかりとお尻を支えてくれる、ほどよい硬さのものに座りましょう。

両足は床から浮かせないで

脚を組むと骨盤がゆがむ原因になります。
また、足を遠くに投げ出すような姿勢は骨盤が引っ張られ、つられるように上半身が後傾します。
足先は真っ直ぐ正面を向けた状態で、ぴったりと床に付けておきましょう。

腰を立てて座る

「腰を立てる」ポイントは坐骨にあります。
坐骨とは、おしりの左右に揺らしたときに、座面に当たる骨です。
左右の坐骨に均等に体重を乗せ、この骨で体を支えるようなイメージで座りましょう。
こうすることで、自然と腰が立ち、背筋が伸びてきます。

首の角度は変えずに自然に目線を落とす

スマホを顔の下において覗き込むように見るという見方は、ストレートネックの原因となり、このストレートネックが腰痛へと影響します。ですので、スマホをのぞき込まないような姿勢を取ることがおすすめです。

多くの方はすわってスマホを操作されるかと思うので、例えば、机に肘をついてスマホを顔の位置にして操作をしたり、近年さまざまなお店で販売されているスマホスタンドなどを活用したりといった方法も良いでしょう。

電車でスマホを操作する場合には、意識して顔の位置にスマホを持ってこないと電車の揺れによってどんどんスマホの位置が下に下がってきてしまいます。ですので、座ってスマホを見るという場合にはひじをカバンなどである程度の高さに固定してスマホをみることがおすすめです。

姿勢を保てる便利なグッズ

慣れない間は、正しい姿勢をキープするのは難しいですよね。
そこで、グッズを使って、ラクしちゃいましょう。

スマホスタンド

もともとはゲーム機用のスタンドですが、スマホでもOKです。
目の高さに合わせることで、ストレートネック、巻き肩の解消が期待できます。
スマホ卓上用の伸縮ポールスタンド

ひじ置きクッション

ひじで体を支えることで、体が前に倒れるのを防いでくれます。
赤ちゃんがいる家庭では授乳クッションとしても活躍しそうですね。
ミラビーズスマホ&ゲームアームレストクッション

骨盤サポートクッション

正しい姿勢をサポートしてくれます。座るだけで自然と腰が立ち、背骨のS字ラインを整えてくれるので、腰が痛くなりません。
スマホを見るときだけでなく、普段からも使ってみたくなる商品です。
ヘルスケア座布団

バランスチェア

お尻と膝の2ヵ所でバランスよく支えることで、背筋を無理なく整えてくれるイスです。
販売以来30年以上も愛され続けている商品です。
大人から子どもまで使うことが出来るので、子どものスマホやゲーム利用が気になる家庭でも活躍しそうです。
バランスイージー

オススメストレッチ

スマホ操作は15分に1回はストレッチを行いましょう。

体側伸ばし

1.手を組んだら、息を吸って頭の上まで引っ張り上げます。気持ちよく伸びましょう。
2.吐きながら左に向かって体を倒します。腰の骨から脇の下まで一直線を意識します。
3.吸って戻ったら反対側も行います。

猫背にならないように気をつけましょう。
左右3回ずつ行いましょう。

鎖骨乳突筋ストレッチ

1.両手を重ねて右の鎖骨あたりにおきます。
2.胸に向かって手を引き下げながら、顔は左斜め上を向きましょう。

キープしたまま5回ほど深呼吸します。
下を向いているとこの鎖骨乳突筋が疲労します。
普段あまり意識しない場所なので、刺激を強く感じるかもしれません。
ゆっくりと伸ばしましょう。

肩甲骨引き寄せ

1.手をうしろで組みます。息を吸って吐きながら肩甲骨をよせ、腕を遠くに伸ばしましょう。
前後左右動かしながら、肩の前側を開いていきます。
この時、胸を気持ちよく開きましょう。

自分にとって気持ちがいいと思う場所をストレッチするようにしてください。
「スマホを見たらストレッチ」を習慣化していきましょう。

スマホを見ていたら腰痛に…!どうすればいい?

ついつい夢中になってスマホを見ていて、スマホを見終わって立ち上がろうとしたら急に腰が痛くなった!という場合の対処法をご紹介します。

まずは、横向きに、そして体を丸めるように寝ころがり、安静にしましょう。こうすることで痛みが少しずつ楽になってきます。もしもご自宅に湿布があれば、抗炎症作用のある冷湿布を使用することで痛みが和らいできます。また、鎮痛剤がご自宅にあればそれを服用することも良いでしょう。

これで痛みが落ち着いて来たら無理のない範囲で少しずつ動いてもかまいません。ですが、痛みが続くという場合には早めに医療機関を受診しておきましょう。特に急性の腰痛が出た場合には、それはスマホを長時間見たことによる筋肉のこりからきているものではなく病気が隠れているという可能性もありますので、まずは検査を受けられるとよいでしょう。

もしも、スマホを見ることによる腰痛ならばストレートネックになっていないかどうかレントゲンなどを取ってみてくれることもありますので、相談してみても良いでしょう。

さいごに

もしあなたが今電車の中でこの記事を読んでいるのであれば、一度スマホから目を離し、周りを見渡してみてください。
きっとたくさんの方がスマホを見ているはずです。
その姿、「素敵だな」と思えますか?

下を向いた首、丸まった背中、巻き込んだ肩、開いた脚。

お世辞にもかっこいい、とは言えませんね。
体にとって悪い姿勢は、見た目も美しくはありません。

さぁ、今日から始めましょう!
腰への負担を減らすためにも、自分が「かっこいい」と思う姿勢で、スマホをチェックしましょうね。

参考
知っておきたい「ぎっくり腰」の対策と予防|オムロン

著者情報

腰痛メディア編集部
腰痛メディア編集部

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