介護事業所で勤務している皆様、利用者様から
「腰が痛くてつらい。」
「腰痛にいい体操があったら、教えて欲しい」

こんな相談を受けたことはありませんか?高齢者の腰痛はつきものです。症状や訴えはさまざまなので、悩みは尽きないことでしょう。

そこで、柔道整復師として5年以上、介護に携わっている私の体験談をご紹介します。実際にあった腰痛の症例、そして腰痛改善にむけて実際に取り組んだリハビリメニューをお伝えします。

利用者様から腰痛の相談を受けている方、必見です!

「徐々に腰痛が」その原因とは

 
B様、70代女性
要支援1
一人暮らしで、身の回りのことは一通りできる
性格は明るく、社交的

B様は、数カ月前から腰痛に悩んでいました。腰痛が原因で、B様は趣味のプールも中止して、自宅に引きこもることも多くなってしまったそうです。

B様を担当していたケアマネージャーは、その状態を心配して、近所の運動ができる「リハビリ特化型デイサービス」へ通所することになりました。

私は運動プランを作成すべく、B様から詳しいお話を伺いました。

B様の訴えをまとめると

• 転倒や尻餅などはしたことがない。
• 腰痛が酷くなる前の過ごし方は、自宅ではテレビを見て過ごすことがほとんどだった。
• ここ数カ月体重が増加している。それに合わせて腰痛が酷くなった。

というものでした。

通常、高齢者が腰を痛がっている場合は、まず「圧迫骨折」を疑います。「圧迫骨折」とは、背骨の椎体と呼ばれる部分の骨折で、尻もちをついた時などに発生します。

しかし、今回のB様の場合、尻もちをした経験がないので圧迫骨折の可能性は考えにくいものでした。そこで、私は腰痛の原因が他にもないか、探ってみることにしました。

腰痛の原因は「腰の歪み」と体重増加

続いて気になったのが、

• 腰痛が酷くなる前の過ごし方は、自宅ではテレビを見て過ごすことがほとんどだった。
• ここ数カ月体重が増加している。それに合わせて腰痛が酷くなった。

B様の腰痛が強くなったここ数カ月、体重が増加しています。また家の中で過ごすことが多く、座りっぱなしの生活を送っていました。

私は、B様の今回の腰痛の原因は「腰の歪み」と「体重の増加」ではないかと考えたのです。

腰の歪みとは

腰の歪みとは、「腰のアライメントが崩れた状態」のことを指します。

「腰のアライメント」とは腰にある骨の位置関係です。腰は、「寛骨」と呼ばれる骨盤の上に、背骨が位置しています。

背骨は通常、上記の写真のようにS字を描いています。しかし、骨折や筋肉のバランスが崩れたなど、腰に負担が掛かると背骨のS字カーブが乱れる原因になります。
「腰の歪み」とは、腰にある骨の位置関係が、正常でなくなったこと状態を指します。

B様の場合、座っている時間が長く、同じ姿勢を続けていました。結果、腰の筋力バランスが崩れて、腰のアライメントが乱れた可能性があったのです。

案の定、B様はかなりの反り腰になっていて、腰のアライメントが崩れていることが分かりました。

体重の増加

体重が増えたことで、腹圧が弱くなります。腹圧とは、お腹にかかる圧力のことで、コルセットのように体を支える役割を果たしていています。

体重が増えるとお腹が前に出て、反り腰になるでしょう。反り腰の姿勢では、お腹に力が入りにくい状態で、腹圧が弱くなる原因になります。

体重が増えたことで腹圧が弱くなり、体を支える力が低下して、腰への負担が増加したと言えるでしょう。

B様が取り組んだ内容

B様には、3つの体操に取り組んで頂きました。

• 腰椎5番体操
• 骨盤体操
• ヒップアップ
• 有酸素運動

B様は自宅に引きこもっていたことが原因で、腰の筋肉バランスが乱れ姿勢が悪くなってしまいました。さらに運動不足により体重は増加し、ますます腰痛が酷くなりました。

そのため姿勢を正してから、筋力をつけるリハビリメニューを提案しました。
それと並行して有酸素運動を行い、ダイエットも行うことにしたのです。

腰椎5番体操 目的 (姿勢を正す)

①腰に手を当てる

②顎を引く

③腰を下に押しながら。頭を後ろに引く。
後ろに転倒しないように、注意しましょう。
これを10秒×3回繰り返します。

腰椎とは、腰にある骨のことです。「第5腰椎」とは寛骨の上にある腰椎の一番下の骨のことです。

この「第5腰椎」は一番下にある骨なので重さを受けやすく、腰のアライメントが崩れて反り腰の原因になります。

今回のB様も、この「第5腰椎」が触れにくい状態でした。なので、まず「腰椎5番体操」で腰のアライメントを正常な位置に戻すことにしました。

骨盤体操 目的(腰の筋肉バランスを整える)

①腰骨を親指と4本の指で挟む
②息を吐きながら、腰を丸める
③息を吐きながら、腰を反る

②③を交互に3回ずつ繰り返す。できるだけ大きく腰を動かすことがポイントです。

ヒップアップ(目的 腰の筋力アップ)

①膝を曲げて仰向けになります。

②腰を持ち上げます。
③そのまま10秒キープします。これを3回繰り返します。

有酸素運動 目的(ダイエット)

B様の腰痛は体重の増加も関与していました。体重が増加すると腰に掛かる負担も大きくなります。そこで有酸素運動を行い、ダイエットをすることにしました。

• デイサービスに通所した時は、エアロバイクで有酸素運動に10分。
• 自主訓練として、毎日ウォーキングを10分

慣れてきたら時間を増やしていき、「最大で30分間の継続」を目標に運動を継続していきました。

ただ、ダイエットがB様のストレスになってはいけません。リハビリメニューが終わったあとは、ティータイムに参加し、他の利用者様とのおしゃべりを楽しんでいただきました。

リハビリ後のB様

B様がリハビリに取り組んで3カ月後、腰痛はまだあるようでしたが、「ピーク時に比べてだいぶ和らいだ。掃除もかなり楽にできるようになった」と仰っていました。

有酸素運動は、デイサービスに通所している時は続けられましたが、自主訓練としてウォーキングを続けることは難しかったようです。

体重の変化はありませんでしたが、趣味だったプールも再開して、充実した毎日を過ごしているようでした。
その後もB様はデイサービスを継続して、運動も続けられています。

リハビリのポイント

• 腰のアライメントを正したうえ、筋力アップに取り組んだ
• 有酸素運動に取り組んだことで、体重の増加が防げた

今回B様の腰痛が「腰のアライメント」の乱れが原因だったと評価し、適切なリハビリメニューを提供できたことにあるでしょう。

実際に利用者様の体に触れて原因を評価することは大事なことですが、専門家ではないと難しい技術です。

「まわりに相談できる専門家がいない」という方は、「腰痛ドクターアプリ」がおすすめです。

「腰痛ドクターアプリ」は登録して簡単な質問に答えるだけで、その方にあった体操メニューを考案してくれます。5分~10分ぐらいあれば設問に答えられるので、手間も掛かりません。

まとめ

今回ご紹介したB様のように、腰のアライメントが乱れてたこと、体重の増加が原因で腰痛に発展したケースもあります。腰の筋肉バランスを整えてダイエットをすることで、腰のリハビリに取り組むことができるでしょう。

しかし、今回の事例のように、専門家による評価がないとリハビリに取り組む難しいと言えるでしょう。まわりに相談できる専門家がいない方は、「腰痛ドクターアプリ」を活用して、利用者様の症状にあった体操を提案してみるといいでしょう。

高齢者には腰痛の悩みが尽きません。悩みの相談を受ける、皆様も非常に大変だと思います。本記事で紹介したリハビリメニューが、皆様のお役に立てれば幸いです。

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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