「自分の腰痛はもしかしてストレスが原因?」
「ストレスで腰痛になるの?」

現在、これといって原因がわからない腰痛に苦しんでいる方は、こんな風にお悩みではないでしょうか。原因がわらかないのに腰が痛いと不安な気持ちは大きくなりますよね。

この記事では腰痛とストレスの関係性について解説します。ストレスに負けないための対策も紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ストレスは腰痛の原因になる?

腰痛にはストレスや不安・うつといった心理的要因が影響していると考えられています。腰痛診療ガイドライン2019(監修/日本整形外科学会・日本腰痛学会)には次のように記載されています。

腰痛の治療成績と遷延化には、心理社会的因子が強く関連する

通常、脳は痛みを感じるとセロトニンやノルアドレナリンなどを放出して、痛みを抑制するような働きをします。しかし、ストレスが多いと痛みを抑制する仕組みは十分に働かなくなるため、少しの痛みを強く感じたり痛みが長引いたりします。

痛みが長引くとストレスはさらに多くなり、継続的な腰痛に悩まされることになるのです。

また、ぎっくり腰は別の仕組みが関与しているものの、ストレスが発症リスクを高めているといわれています。

腰痛の約85%は原因不明

腰痛は特異的腰痛と非特異的腰痛の2種類に分けられます。特異的腰痛とは、X線やMRIなどの画像検査で原因を特定できる腰痛のことです。非特異的腰痛は、画像検査などをしても原因を特定できない腰痛を指します。

非特異的腰痛は精神的ストレスが原因のひとつと考えられており、腰痛全体の約85%を占めています。特異的腰痛は約15%のため、腰痛のほとんどは非特異的腰痛といえるでしょう。

非特異的腰痛はセルフケアすると短期間で良くなることもあります。しかしストレスが関係していると長期化する場合もあるため、甘く見ることはできません。

過度な不安は腰痛につながる

腰痛を経験してしまうと「またなるのでは…?」と不安になることもあるでしょう。このような不安な気持ちは「恐怖回避思考(行動)」につながり、腰痛を長期化・重症化させるおそれがあります。

「恐怖回避思考」とは不安な気持ちから腰を過剰に守ろうとして、必要以上に腰を動かさなくなる考え方のことです。

欧米の研究によると、痛みに対する「恐怖回避思考」は回復具合に悪影響を与えることがわかっています。

また、腰を過剰に守って体を動かす機会が減少すれば筋肉の柔軟性は損なわれます。すると腰痛が治りにくくなるだけでなく、再発しやすい状況を作り出してしまうのです。

そのため、過度な不安は腰痛につながりやすいといえます。

腰痛を遠ざける!4つのストレス対策

仕事にストレスはつきものです。また、仕事以外でも日常生活でストレスがかかることはたくさんあります。過度なストレスは腰痛につながる可能性があるため、4つの対策を紹介します。

適度な運動

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動には、ストレスを緩和する効果があるといわれています。天気のいい日に外で運動すれば、リラックス効果も得られるでしょう。

運動する際は、軽く汗ばんで「気持ちよかった!」と感じるくらいが良いといわれています。時間の目安は20分程度です。

一度に長時間運動するよりも、定期的に継続することを意識してください。いきなり長時間運動すると、疲れ過ぎて次の日に影響が出る可能性があるためです。

また、運動は腰痛改善や予防にも効果があるといわれています。

運動は最初から無理をせず、こまめに時間を作って継続することが大切です。

認知行動療法

認知行動療法はストレスを軽減するための精神医学療法です。慢性腰痛の治療にも有用といわれています。

認知行動療法は「物事をよりストレスなく、バランス良く考えるための方法を身に付ける」ことが目的です。簡単にいえば「考え方を変える」ということです。

たとえば「腰が痛くて家事ができなかった」と考えれば、ストレスはさらにたまるでしょう。しかし「腰が痛くて掃除はできなかったけれど料理はできた」と考えれば、プラスの面が見えてきます。

物事すべてを悲観的に捉えればストレスはたまるばかりです。しかし、考え方を工夫すればストレスの悪循環を断ち切れます。

快適な睡眠

睡眠不足はストレスの原因になるため、日頃から睡眠に対する意識を高く持つことが大切です。

快適な睡眠のためには、規則正しい生活を送り体内時計を整えることが必要です。とくに夜の光には注意しましょう。

夜の光は体内時計をうしろにずらしてしまうため、快適な睡眠の妨げになります。家庭にある照度100~200ルクスの照明でさえ長時間浴びると体内時計は遅れてしまいます。

そのため、寝る直前までスマートフォンやパソコンを操作する、またはテレビを見るといった行動は控えましょう。

快適な睡眠のためには、明るすぎない光(照度30ルクス以下)でリラックスすることが良いといわれています。

友人に相談する

親しい友人・知人と話したり、悩み事を相談したりすることもストレス対策には有効です。

悩みがある場合、ひとりで悶々としていても良い解決策が浮かぶことは少ないでしょう。ひとりで悩み続けると、より悪い方向に考えてしまってストレスが多くなる可能性さえあります。

しかし人に悩みを話せば考えを整理しやすくなって、解決策が見つかりやすくなります。また、友人から良いアドバイスをもらえることもあるでしょう。

そのため適度に友人・知人と話すことはストレス対策に有効といえます。

ストレス解消の注意点

ストレス解消といっても、方法によっては良くないものもあります。またストレスが大きすぎる場合は、心や体にサインが出ているかもしれません。

最後はストレスを解消する際の注意点を紹介します。

飲酒や喫煙でのストレス解消はNG

適度な飲酒はストレス解消やリラックスにつながりますが、過度のアルコール摂取は体に悪影響を及ぼします。とくに寝酒は良くありません。アルコールは寝付きを良くしますが、早朝に目が覚めることを多くします。

このような状態が続けば睡眠の質を低下させて、ストレスの原因になる睡眠不足を引き起こします。

タバコは一見ストレス解消に役立っているように見えるかもしれません。しかし、タバコには覚醒作用のあるニコチンなどが含まれているため、快適な睡眠の妨げになります。そのため就寝前の喫煙は避けたほうが無難です。

それにタバコを止めるとストレスが増えると考えるのは間違いです。バーミンガム大学の研究では、禁煙はメンタルヘルス改善に効果的であることが報告されています。

過度の飲酒や喫煙はストレス解消にはつながらないため、控えたほうが良いでしょう。

こんなときは専門家に相談を

ストレスを感じて腰痛以外にも次のような症状がみられる場合は注意が必要です。

こころ

● イライラする・怒りっぽくなる
● 驚きやすい
● 急に泣き出す
● やる気がなくなる
● 人付き合いが面倒になる

からだ

● 肩こり・頭痛・腹痛などがある
● 寝付きが悪い
● 夜中・朝方に目が覚める
● 食欲がなくて食べられない
● 食べすぎてしまう
● 下痢・便秘しやすい
● めまい・耳鳴りがする

このような症状が続く場合は、大きすぎるストレスで心や体の調子を崩している可能性があります。

早めの対処が重要ですので、家族と相談して医療機関を受診しましょう。

まとめ

腰痛とストレスは密接に関係しています。ただ、ストレスが腰痛の原因だとしても安静にし過ぎるのはよくありません。過度に腰を守ってしまうと、腰痛は悪化・再発しやすくなります。

自分の腰痛はストレスが原因だと考えられる場合は、今回紹介した適度な運動や認知行動療法などを実践してみてください。
日頃からこまめにストレスを解消しておけば、つらい腰痛とも距離を置けるようになるでしょう。

著者情報

腰痛メディア編集部

こんにちは。 腰痛で悩む多くの方に役立つ情報を毎日お届け。それぞれが違った痛みの場所・違った痛みの度合い・違った原因をお持ちです。 一人一人が自分の腰の状況(病態)を理解し、セルフマネジメントできるようになることが私たちの目標です。記事のご意見・ご感想お待ちしております♬

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